約2年ぶりのリリースとなる7作目のアルバムは、従来の作家陣に加えて末光篤やスネオヘアーといったアーティストとも初めてコラボレーションを行った意欲作。同時に坂本自身が多くの楽曲で手掛けた歌詞においても、今まで以上に踏み込んだ表現をところどころに織り込むことでリアルさ、生々しさをほのかに加えている。もちろん、彼女ならではのナチュラルで透明感のある歌声は健在。その上で、駆け出すようなピアノロック「eternal return」から、特に中盤に色濃く見られる、一人の女性を描いたかのような物語性を感じさせるものまで、歌声の中にそれぞれの楽曲の色合いを細やかに反映させることで各曲のメッセージやコンセプトを豊かに表現していく。そしてラストナンバー「トピア」では、それまで歌われてきたさまざまな感情をそっと抱きしめるようなイメージをリスナーに与えて締めくくる。聴き終えた後の爽快感が胸に残る一作。
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