海につれていって

海につれていって

潮の香りのする作品である。"迷い道"、"かもめが翔んだ日" という2枚のヒットシングルの勢いを受ける形になった1978年発表のデビューアルバム。当時の渡辺真知子は、すぐれたシンガーソングライターでありながら、歌謡曲的なメロディを書いたり、テレビ番組への出演を避けなかったりと、旧来のニューミュージック系のアーティストとは異なるスタンスをとっていて、その堂々とした姿勢はこの作品にも生きている。何よりも20歳の彼女の声の伸びと張りがすばらしく、堂々と歌い上げるさまが突き抜けた魅力を放っている。海を舞台にした楽曲は渡辺自身が横須賀育ちであることを連想させ、恋愛のときめきや切なさをつづった物語が鮮やかに映えている。ピアノと弦を効果的に使った船山基紀の小気味いいアレンジもクオリティが高い。幼少期から音楽教育を受けてきた下地が早くも実りをもたらした初期の重要作。

その他のバージョン

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ