百恵白書

百恵白書

山口百恵自身をテーマにした初のコンセプトアルバム。本作にシングル曲は未収録で、当時のアイドルとしてこれは異例のことだった。作詞家の阿木燿子はテレビ局や地方のツアーにまで百恵に密着し、多くの対話を重ねて詞を練ったという徹底ぶり。たとえば「I CAME FROM 横須賀」では育った街から東京までを結ぶ京浜急行の駅名を連ねたり、「いた・せくすありす」では思春期の秘密を明かしたりと、独白めいた歌声が近しさを感じさせる。そこには虚実が入り混じっているとは思われるものの、歌う当人のリアリティが作品の中でさまざまな情景を浮かび上がせている。最後を締めくくる「歌い継がれてゆく歌のように」「『スター誕生』AGAIN」の2曲は以後のコンサートでの重要曲に。初期からの私小説的な作風が極まったアルバムである。

その他のバージョン

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ