前作「THE RHYME ANIMAL」でソロキャリアをスタートさせたラッパーのZeebraが2000年にリリースした2作目のアルバム。世間がラッパーに対して抱いているステレオタイプを真正面から引き受けて、あえてそのイメージを過剰に演じながら彼ならではのヒップホップ観を濃密に詰め込んだような作品で、ライミング、フロウ、ストーリーテリングといったラッパーとしてのスキルの高さを全方位的に見せつけている。パワフルなラップが炸裂する「MR. DYNAMITE」、ヘイターに対する痛烈な攻撃と強烈なセルフボーストの「城南ハスラー」、DOUBLEをフィーチャーしたゴージャスなR&Bの「プラチナム・デート」、1988年のスリック・リックの同名のクラシックをモチーフに見事なストーリーテリングを展開する「CHILDREN'S STORY」、OZROSAURUSのMACCHO、ラッパ我リヤのQ、BOY-KENとマイクをつなぐ「男の条件」など、スケールの大きなZeebraワールドが存分に堪能できる重量級の傑作。