Marley Marl率いるJuice Crewの一員として知られるNYのブルックリン出身のラッパー、ビッグ・ダディ・ケインが1988年にリリースしたファーストアルバムで、プロデュースはMarley Marlが務めている。タイトなライミングでハードに畳み掛ける"Set It Off"、緩急を生かしたフロウを聴かせる"Ain't No Half-Steppin'"、Mister Ceeの軽快なスクラッチとの掛け合いが印象的な"Mister Cee's Master Plan"、アフロセントリズムをテーマにした"Word to the Mother (Land)"など卓越したラップテクニックが随所に発揮された佳曲が多く収録されており、本作で一躍シーンを代表するラップスターの地位に駆け上がった。また、この時期のヒップホップのプロダクションを象徴する存在であるMarley Marlのサウンドの魅力が詰まっているという意味でも、1980年代後半を代表するヒップホップクラシックと呼ぶに相応しい。