古典的なR&Bシンガー像をくつがえす、新しい感覚を持った才能が次々と生まれた2010年代、Miguelはひときわ時代のすう勢を感じさせた。トップ10ヒットを生んだファーストアルバム「All I Want Is You」でそのユニークな個性を知らしめたが、セカンドの本作で彼が描き出したのは深遠にしてエロティックなアンビエントソウル。さまざまな音楽的要素を感じさせつつも、プリンスがそうであったように真にオリジナルの個性を確立している。マーヴィン・ゲイの"Sexual Healing"をデトロイトハウスの音像でリコンストラクトしたかのような"Adorn"はグラミー賞にて最優秀R&Bソングに輝いた名曲。"Where's the Fun in Forever" ではアリシア・キーズもフィーチャーしている。