前作「OK Computer」の世界的な成功で、バンドとしての一つの高みに到達したレディオヘッドが、前作に引き続きナイジェル・ゴッドリッチをプロデューサーに迎え、難産の末に完成させた通算4枚目のアルバム。前作から取り入れたエレクトロニクスは、本作ではバンドサウンドを解体するまでに全面開花。トレードマークだったギターサウンドはほぼ影を潜め、エイフェックスツインやAutechreなどのIDM、クラウトロック、エレクトリックジャズ、現代音楽を思わせるサウンドへと大胆にシフトし、ミニマルでシンフォニック、と同時にメランコリックでエモーショナルな孤高の音楽世界を提示することに成功した。こうした大きな方向転換はリリース当時に物議を醸したが、今では世界中のメディアが認めるように、本作が2000年代で最も重要なポップアルバムの一枚であることは疑いようもない。
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