アトランタ出身のヒップホップデュオ、アウトキャストが2000年にリリースした通算4作目のアルバム。TLCやアン・ヴォーグからリュダクリスまで数多くのヒット作を手掛けてきた同郷の大御所プロダクションチーム、Organized Noizeがプロデュースを担当。ソウルやファンク、ブルースにロックなどをベースにした南部特有の粘っこいグルーヴは維持しながらも、これまで以上にアップテンポなトラックや、まるで歌うようにキャッチーなフロウを取り入れている点が特徴だ。ドラムンベースをほうふつとさせる高速ビートの「B.O.B.」、キャリア初の全米1位を獲得した「Ms. Jackson」といったシングルヒットに象徴されるように、ヒップホップの枠を超えて2000年代のアメリカのポップミュージックシーンを代表するアーティストとして飛躍するきっかけになった作品である。