Nitro Microphone Underground のメンバーとして活躍する一方で、ソロとしても自身の作品や数々の客演で高いスキルを披露してきた Dabo が2006年にリリースした3rdアルバム。前作「Diamond」から約2年のインターバルを挟んでリリースされた本作の特徴は、スキット以外にはフィーチャリング・アーティストを一切迎えず、自らのマイク1本ですべてを構成している点だ。豊かなボキャブラリーや頓知の利いたメタファーを駆使してストーリーを展開しながらメッセージを発するリリックと、聴く者が思わず身体を揺らさずにはいられないライミング、流れるような滑らかなフロウという、ラッパーとしての基本スキルの高さをあらためて強く感じさせる。DJ Watarai や Illicit Tsuboi、タイプライター、Kura など、個性派プロデューサーのトラックの上で、Dabo のリリシストとしての資質が存分に発揮された力作だ。