大人の色香ただようダイアナ・クラールの歌声は、それだけで強烈にジャズを感じさせる。2001年末にパリ・オリンピア劇場で行われたライブの模様を収録した本作は、彼女の特徴であるハスキーヴォイス、流麗なピアノプレイが紡ぎ出す心地よい音空間を余すところなくパック。スウィンギーな曲からヨーロッパ交響楽団の入ったしっとりとしたナンバーまで、全編でくつろいだ演奏を聴かせてくれる。録音の良さも手伝ってか、ライブの臨場感がダイレクトに伝わってくる。マイケル・ブレッカーを迎えたビリー・ジョエルの"Just the Way You Are"はスタジオ録音。レイドバックしたジャズフィーリングが生かされた魅惑のカバーとなっている。