Confessions (Expanded Edition)

Confessions (Expanded Edition)

過去の出来事を思い返すには、その頃よく聴いていたアーティストやアルバムを思い浮かべてみるといい。逆に2004年の記憶がはっきりしているなら、その年はアッシャーの4作目『Confessions』がどこからでも聴こえてきたことを覚えているはずだ。このアルバムはアッシャー・レイモンドの最終形態だといえる。ここで彼はトップクラスのプロデューサーに守られ導かれてきた若きアイドルを卒業して、ついにアーティストとしての全盛期に達したのだ。前作『8701』は、初めてロマンスや恋愛の続け方といった大人の感情をテーマにした作品だったが、そこで描かれる彼はたとえ自分に責任がある時でさえ、あくまでも傷付けられる立場にいるのが普通だった。しかし、『Confessions』の中で彼が認めたスキャンダルはドラマにできるほどの過激な内容で、一つの物語が時系列に進んでいく曲が並んでいる。 アルバムのタイトルトラック「Confessions」で、アッシャーは自分の不貞行為、つまり自分が住む国の反対側に浮気相手がいるという事実を告白して聴き手を虜にする。この曲の続編となる「Confessions, Pt. II」では、自分が裏切っていた恋人が妊娠3か月と分かるというさらなるドラマが描かれ、大ヒットシングルにもなった。そして物語を締めくくる「Burn」で彼は、自ら壊した関係が終わったことへの悲しみを隠さない。 そんな真実を基にした衝撃的な3部作を別にしても、『Confessions』には大ヒット曲がいくつもある。リル・ジョンとリュダクリスと組んだ「Yeah!」は、当時のアトランタの音楽シーンの陽気で活気がある雰囲気を見事に捉え、アリシア・キーズと共演した「My Boo」は2000年代屈指のデュエット曲になり、「Superstar」は愛する人をたたえる名曲として名高い。そのインパクトと深みを改めて考えてみると、21世紀において『Confessions』ほどのステータスを勝ち得たアルバムはほとんど存在しないといえるが、後に続こうと挑んだ作品が次々と生まれてきたところに、その影響の大きさが如実に表われている。

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