Lektion No.1

Lektion No.1

Cornelius の公募リミックス・アルバム「PM」に収録された “another psychedelic point remix” で注目を集めた黒木俊介のソロ・プロジェクト。彼のデビュー・アルバムとなる本作は6年の歳月をかけ、少しずつ手を加えながらホーム・レコーディングで制作が行われた。分かりやすく例を挙げるなら、 The Avalanches の「Since I Left You」。あの作品が膨大なサンプリング・ピースのコラージュで作り上げられたのに対して、本作収録の12曲はそのピースを生演奏の断片に差し替え、さらにはそれらをミックスCD感覚で展開させながらコラージュしたもの。巷に溢れる膨大な音楽情報の扱い方を Cornelius の作品から吸収、咀嚼した Dritt Drittel らしいユニークな制作スタイルと言えるだろう。60年代の米国ソフト・ロック・グループ、 The Millenium “Prelude” のカヴァーでスタートする本作だが、続く “Tutti Furutti” は P.I.L. “Rise” のカヴァーに挫折したことで誕生。そこからなし崩し的に右へ左へ大きく蛇行、アップダウンを繰り返しながら、オルタナティヴな肌触りの作品世界が着地点不明のまま展開してゆく。それゆえにまずはスリルが、続いてはバラバラになりそうな楽曲をギリギリのところでまとめあげる編集能力と完成度の高さが、聴き手を感情の高みへと誘ってくれる。

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