ニューヨーク・クイーンズ出身のラッパー、50セントが2003年にリリースしたファーストアルバム。1990年代末にプロダクションデュオのTrackmastersに見出されてデビューを果たすも、銃撃事件に巻き込まれるなどしてアルバムがお蔵入りに。キャリアの仕切り直しを余儀なくされたが、ヒット曲のビートを借用して自分のラップを乗せるビートジャックによって、アンダーグラウンドシーンで注目され、エミネムとドクター・ドレーのバックアップを得て本作を完成させた。全米ナンバーワンヒットとなったドレーによるプロデュースの"In da Club"、ネイト・ドッグをフィーチャーした"21 Questions"、ボーナストラックとして収録され、エミネムの主演映画『8 Mile』(2002)のサウンドトラックに提供された"Wanksta"など、ハードなリリックとパワフルなラップの魅力を凝縮したような重量級の仕上がりで、全世界で1000万枚を超えるセールスを記録。彼を瞬く間にシーン屈指のスターの座に押し上げたモンスターアルバムだ。