『Achtung Baby』から始まったU2のギターロックとエレクトロニックミュージックのクロスオーバーの試みは、この『Pop』で極点を迎えた。中でもテクノやビッグビートを取り入れた「Discothèque」や「Mofo」のように、打ち込み、ブレイクビーツの反復性を全面にフィーチャーした前半のナンバーは、前作『Zooropa』以上にダンスミュージックへの接近を象徴するものになっている。U2のエレクトロニック路線を支えたプロデューサーのFloodに加え、トリップホップやエレクトロニカを得意とするハウィーBやスティーヴ・オズボーンら多彩なスタッフが果たした役割も大きいだろう。一方「Staring at the Sun」以降のナンバーは、かつてのU2らしいリリカルなギターチューンや、ジ・エッジが巧みにリバーブを効かせたギターが活きるサイケデリックなバラッドチューンもあり、彼らの次なるフェーズを予感させる。このアルバムはApple Digital Masterに対応しています。アーティストやレコーディングエンジニアの思いを忠実に再現した、臨場感あふれる繊細なサウンドをお楽しみください。