“生き残る”という意味のアルバムタイトルに、B'zを継続していくことへの強い意志が見て取れる。結成10周年を目前にしたこの時期、彼らはユニットの過去と未来の両方を意識していたのだろう。ハードなギターをメインにしたロックサウンドは不変ながら、打ち込みの比重が再び増し、かつてのスタイルに回帰した印象も受ける。先行シングル「Liar! Liar!」はその最たる成果だ。ただ、この方向性に定まるまでには試行錯誤があり、大ヒットとなった「Calling」の完成までには長らくの時間が必要だった。その間には、ファンクの要素を含んだ「だったらあげちゃえよ」などの数曲を沖縄で制作した時期もあった。松本孝弘のギターがうなりをあげる「FIREBALL」、ロックバラードの名曲「泣いて 泣いて 泣きやんだら」、女性を猫になぞらえた「CAT」など、ここまで積み上げたあらゆる経験値を各曲に投入。相当な気合いを持ってレコーディングに臨んだアルバムで、結果として、その出来に彼らは大きな手応えを感じたのである。