ベルギーで生まれフランスで育ったチェロ奏者カミーユ・トマによる、19世紀のパリを散策するようなイメージのアルバム。サン=サーンスの協奏曲やアリア "Mon coeur s’ouvre à ta voix(あなたの声に私の心は開く)" の編曲版では深く艶やかな音色がすばらしく、特に協奏曲では表現の幅広さを楽しく味わえるだろう。オッフェンバックの "Introduction, Prière et Boléro" はこれまで演奏される機会が少なかったが、彼女の演奏により幻想的で壮大な作品であることがわかる。また、テノールの ローランド・ビリャソン(ヴィラゾン)との共演内容もとても魅力的だ。