作曲家、アレンジャー、プロデューサー、ピアニストとして活躍する菅野よう子。アニメ、ゲーム、映画などの音楽制作から、元ちとせ、 SMAP といったアーティストへの楽曲提供や編曲も行っている彼女が、最も数多く手がけているのがCMソング。本作は、長きに渡って彼女が作ってきた楽曲をまとめた前作「CMようこ」の続編的なアルバム。ビートルズの "All you need is love" を、アコースティックギター、ハンドクラップを強調したアレンジにしたかと思えば、 "火祭りの踊り" ではエキゾチック調のサウンドを、 "子鹿"や"豹" では前衛的な現代音楽を披露。彼女の作り出す音楽はまだまだ幅広い。カリプソ風の "いちじよじ" 、矢野顕子を彷彿させるピアノ弾き語りの "ミテのうた" 、70年代イタリア映画のサントラ風の、ゴージャスでジャジーな "Success Road" 。さらに、キュートな R&B の "The Secret Magic" 、ベンチャーズ的なサーフロックの "Chase the Lady" 、ロックバンド、キセルとの "Share" は John Lennon の "Love" を想起させる。様々なジャンルを行き来しながらも、一貫しているのはメロディの強さ。彼女が、いわゆる作家という枠に収まらない、クオリティの高いアーティストであることを実感させられる作品。