Blood On The Tracks

Blood On The Tracks

「血の轍」という邦題で知られる本作は、長いキャリアを歩んできたボブ・ディランの最高傑作として挙げられることが多い。本人はチェーホフの短編集を参考にしたとしているが、愛にまつわる葛藤や人間関係の破綻が主題になっていることは明瞭で、全体のトーンには統一感がある。楽曲のクオリティは申し分なく、アコースティック主体のサウンドも耳なじみがいい。オープニングの"Tangled Up In Blue"は、時間と場所が交錯し、断片的な回想の終着点が見えないまま進んでいくという複雑な語り口で、彼が師事していた画家のNorman Raebenの教えを曲作りに応用したもの。辛らつな物言いと小気味よい演奏が印象的な"Idiot Wind"と共に、珠玉の名曲として知られている。

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