21世紀最大級のロックグループへと成長したコールドプレイが、2005年にリリースしたサードアルバム。ギターバンドとしての骨格は崩さないまま、シンセサイザーなどのエレクトロニクスや流麗なストリングスを導入した結果、彼らの真骨頂とも言えるメランコリックなメロディの美しさが際立つ一枚。シングルカットされた "Speed of Sound" をはじめとして、どことなく1980年代ニューウェーブ期のバンドを思わせるドラマティックなサウンドで、クラフトワークの "Computer Love" のリフを引用した "Talk" や、Pixies の "Where Is My Mind?" にインスパイアされたという "Fix You"、ビートルズ風の "X & Y" など、楽曲の幅も大きく広がっている。クロージングナンバーの "Til Kindgom Come" はもともと故ジョニー・キャッシュのために書かれた曲だったことも知られている。