ファーストアルバム『Trash We'd Love』時のメンバーに加えて、一瀬正和（Dr）、伊澤一葉（Piano）、ストリングス奏者が参加したセカンドアルバム。ファーストアルバム同様に細美武士と堀江博久の共同プロデュース作品だが、本作では作曲クレジットがバンド名義になった変化があることからも、バンドという一つの形態が生み出すサウンドを意識したアルバムといえる。その結果、音楽的にはボーダレスで、実験精神にも富んだ内容となっている。トリガーとなったのは、前年にリリースした『Insomnia』であり、その中から「Insomnia」と「Antibiotic」を今作にも収録。中でも「Antibiotic」は、バンドの呼吸感があればこその即興的でスリリングなアンサンブルとクリエイティブな掛け合いで構築するサウンドで、その流れは壮大な「Notes Of Remembrance」や、ノイズのインプロではじまる「The Ivy」、ポエトリーな「Walking Like A Man」にもつながっている。どれだけ実験的なサウンドでも、絶対的に美しいメロディであるのもまたthe HIATUSで、その旋律が心に深い余韻となって響く。