この人の最大の魅力は、まずは声である。2009年に “ストーリー” でデビューしたシンガー・ソングライターのさかいゆうは、透き通るようなハイトーン・ヴォイスの持ち主。さらに、シルクハットにメガネという装いで喜怒哀楽のこもったポップ・ソングを唄うピアノ・マンというたたずまいからは、エルトン・ジョンに通じるようなエンターテイナーぶりが伝わってくる。若き日には渡航先のLAのゴスペルに感銘を受け、帰国後は他アーティストへの楽曲提供を行い、デビュー前から KREVA やマボロシの曲にフィーチャーされたりと、その地力は筋金入りだ。この1stアルバムでは “ティーンエイジャー”、“train” のような美しいバラードから、好きな人の住む街へ向けて自転車をこぐ高揚感を唄ったシングル曲 “おはようサンシャイン” のようなメロディアスなポップ・チューンまで、じつに多彩な表情を見せている。またサウンド志向も意欲的で、バッハへのオマージュである “まなざし☆デイドリーム” では管弦楽器を効果的に使用したり、かと思えばオートチューンズで唄う場面もあったり、女性ラッパーの RUMI をフィーチャリングした “Yeeeeahs!!” ではクラブ系に接近したりと、音楽面での現代的な感覚も備えているようだ。そしてどの曲にも身近にいる大切な人たちの幸せを願う思いが唄われており、透明な声にはそのハートウォーミングな感情があふれている。
その他のバージョン
- 13曲
- 2014年
- 2013年
- 2020年
- 2022年
- 2019年
- 2021年
- 2010年
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