本作のリリースは"サマー・オブ・ラブ"の時代。ヒッピーたちの聖地サンフランシスコを拠点とする彼らの音楽性は、当然のごとくカウンターカルチャーの影響下にあり、この時代ならではのサイケデリックなサウンドが聴ける。キャッチーなサビとメロディを持った彼らの代表曲"Somebody to Love"、「不思議の国のアリス」をモチーフにした"White Rabbit"の2曲はフラワームーブメントを象徴するような、ヒッピーなサイケ感が際立つ。どちらも新しく加入した女性ヴォーカルのGrace Slickの個性的な声音と唱法が楽曲のムードを印象付けているが、意外にもリードを取るのはこの2曲のみ。そのせいかアルバム全体を見渡してみれば、フォークやブルースを核にした音楽性は意外なほど多様性がある。サイケだけではくくれない彼らの代表作の一つ。
- 2021年
- The Great Society
- ジャニス・ジョプリン
- クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス
- The Youngbloods
- Grace Slick & The Great Society
- ジョニー・ウィンター