1977年に結成された A.R.B. 。俳優としても活躍するボーカルの石橋稜を中心とした、日本を代表するロック・バンドの1つである。バンド名は “アレキサンダー・ラグタイム・バンド” の略で、その名が冠せられた本作は彼らのファースト・アルバムだ。当時は石橋凌(Vo)、田中一郎(G)、キース(Dr)、宮城伸一郎(B)、エンマ(Key)という5人編成で、ハードなギターや野太いドラムとベースに加え、ピアノがロックンロール・テイストを効果的に演出。さらに “ワイルド・ローティーン・ガール” “ジャックナイフ・ブルース” ではブラス・セクション、デビュー曲でもある “野良犬” ではシンセサイザーもフィーチャーするなど、分厚いアレンジを聴かせる。 “悲歌(エレジー)” “淋しい街から” “OH! PLEASE” などのダウン・テンポ・ナンバーも印象的だ。また “宝くじ” では、テクノ・ポップのような無機質なコーラス・ワークを披露するなど、楽曲のバリエーションの面でも意欲的なところを見せている。