タフな歌声がブルージーかつソウルフルなロックに映える通算3作目のアルバム。「雨に泣いてる」は前作『Weeping In the Rain』のタイトル曲の詞を英語から日本語に書き換えたもので、ドラマの主題歌となったことでシングルヒットを記録し、バンドを一躍メジャーな存在に押し上げた。このエピソードが表すように当時の彼らは英語詞の楽曲が多く、サウンドもR&Bやブルース、ファンクを基調とした洋楽色が濃厚だが、コーラスを絶妙に取り入れるなど、サウンドの洗練度は向上している。「チャイニーズ・クィーン」ではメンバーが交互にボーカルを取り、バンドの一体感がうかがえる。また「本牧綺談」「Fenceの向こうのアメリカ」のように、柳ジョージが生まれ育った横浜を舞台とした詞も歌の世界をいっそうドラマチックに高めている。30代となった柳をはじめとするメンバーの武骨なイメージも含め、大人が味わえるロックの在り方を見事に示した本作。1960年代後半から横浜を中心としたロックシーンで活動を続け、途中で音楽界から離れた時期もある苦労人の柳が、この1979年についにブレイク。その成功物語を象徴するアルバムでもある。
柳ジョージ&レイニーウッドのその他の作品
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