高校3年生でデビューを果たした2015年から、20歳となった2019年まで、約3年という短い活動期間を4作のアルバムと共に駆け抜けたぼくのりりっくのぼうよみは、ネット時代におけるパーソナリティの揺らぎをコンセプチュアルに体現したアーティストだ。歌とラップをシームレスに行き来しながら、多彩なトラックと共に描き出す文学的な歌詞世界によって評価を高めていったが、演じていたはずのアーティスト像に自らがとらわれてしまったことから、2018年のラストアルバム『没落』を残し、活動に終止符を打った。現在は“たなか”名義でGorilla Attackなどのプロデュースやロックバンド、Diosへの参加など、枠にとらわれない活動を行っている。