ザ・ビーチ・ボーイズ

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必聴アルバム

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  • Surf's Up
  • Pet Sounds
  • The Beach Boys Today!

アーティストプレイリスト

ザ・ビーチ・ボーイズについて

1960年代初期に登場したザ・ビーチ・ボーイズは、まさにアメリカのサウンドそのものだった。しかし続く半世紀あまりの間に、彼らはアメリカの分断された魂や、愛国的な楽観主義と暗い真実の間で揺れる精神的な葛藤を象徴する存在となっていった。1961年、ブライアン、カール、デニスのウィルソン3兄弟と、いとこのマイク・ラヴ、そして高校の友人アル・ジャーディンが、ロサンゼルス郊外のホーソーンでバンドを結成。彼らが手掛けたサーフミュージックの名曲「Surfin’ U.S.A.」は、太陽が輝くカリフォルニアのファンタジーを永久に定義付けた。サーフィンのブームが去ると、ブライアンはバンドの主要なソングライターからオールラウンダーなクリエイティブディレクターへと役割を広げる。1960年代半ばの「California Girls」などのヒット曲は、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドなどに影響された、ザ・ビーチ・ボーイズの新たな音楽性を示すものだった。ブライアンの作家主義的な視点と、進化し続ける曲作りのスキルは、1966年のチャンバーポップの名作『Pet Sounds』で鮮やかな頂点に達する。このアルバムは、ビートルズが『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を作るインスピレーションとなり、ロックが高尚なアートへ昇華したことを告げる作品となった。しかし、強迫観念に駆られていたブライアンは精神状態が悪化し(子どものころに受けた虐待のトラウマによって拍車が掛かった)、その結果『Pet Sounds』の壮大な続編になるはずだった『Smile』は未完成のままお蔵入りになる(同作の楽曲は後に掘り出され、1967年に奇怪なポップソングを集めた『Smiley Smile』が作られた)。やがてブライアンが長い隠遁(いんとん)生活に突入すると、バンドはスタジオでより民主的なアプローチを取るようになり、1971年の『Surf’s Up』をはじめとする一連のアルバムは、折衷と試行の中で創造性を模索する作品となった。それは当時流行していたアシッドロックとは明らかに同調しないものだったが、ソウルとサイケデリア、オーケストラを使ったポップの秀逸な融合は、後の世代における学識深い宅録ミュージシャンたちによって再評価され、彼らのスタイルに取り込まれていくことになる。その後数十年にわたって、バンドは幾度のメンバーチェンジや法的な内部争い、度重なる悲劇(デニスとカールがそれぞれ1983年と1998年に他界)、さらにキャリア末期の思いがけない新たなヒット曲(映画『カクテル』の主題歌となった「Kokomo」)など、嵐のような変遷をくぐり抜けてきた。しかし、若々しい希望が刻まれたザ・ビーチ・ボーイズの名曲の数々は、アメリカンドリームが現実のものだと改めて感じさせてくれるだろう。

出身地
Hawthorne, CA, United States
結成
1961年
ジャンル
ポップ

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米国およびカナダ