ボサノヴァを象徴するシンガー／ギタリストであり、ブラジルが生んだ最も偉大な音楽家の一人。1931年ブラジル北東部バイーア州出身。ささやくように歌いながら、ジャズから影響を受けた洗練されたハーモニーと、ブラジルの伝統音楽のサンバのリズムをギター1本で表現した独自の音楽スタイルを確立。1964年にリリースしたジャズサックス奏者スタン・ゲッツと共演したアルバム『Getz/Gilberto』が大ヒットを記録、世界中でボサノヴァブームが起こり、ブラジルを代表する音楽家となった。音楽自体の魅力はもちろんだが、気まぐれな性格や公の場にほとんど姿を見せないなど、ミステリアスな私生活を送ったことでも知られている。2019年7月、88歳でこの世を去るが、ジョアンの甘い歌声とクールなギターの調べは、これからも色あせることなく世代を超えて世界中の音楽ファンを魅了し続けるだろう。