稲垣潤一

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稲垣潤一について

日本のポップス界きってのAORシンガー、稲垣潤一。大人の恋心を歌ったら右に出る者がいないほど味わい深い歌を聞かせる存在だが、それと同時に独特のスタンスを取るアーティストでもある。それは彼がドラマーとしての横顔を持っているということだけではない。シンガーソングライターの稲垣には代名詞といえる曲がいくつかある。「ドラマティック・レイン」(1982年)、「クリスマスキャロルの頃には」(1992年)、「夏のクラクション」(1983年)や「バチェラー・ガール」(1985年)など、それらはいずれも作詞/作曲家からの提供曲なのだ。そして、2008年から始まったデュエットカバーのアルバム『男と女』シリーズが高い支持を得たことも含めて考えると、彼は自分の内面を表現する以上に、別の誰かが歌として作り上げたストーリーを演じるように歌うことに長けているシンガーなのだろう。どこかクールかつ抑制的で、エモーショナルすぎないボーカルスタイルがそれを可能にしている。いわば役者のようなトーンで恋愛模様をつづり、聴き手側の想像の世界を喚起する声なのだ。そうして稲垣は大人故の繊細な心理やセンチメンタルな感情を、見事に歌い切っている。

出身地
Miyagino-ku
生年月日
1953年7月9日
ジャンル
J-Pop

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