ダリル・ホール&ジョン・オーツ

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ダリル・ホール&ジョン・オーツについて

ダリル・ホール&ジョン・オーツの貢献がなければ、アメリカの名曲を集めたソングブックは今より薄くなっていただろう。1970年にフィラデルフィアでデュオを結成して以来、彼らの楽曲の多くはラジオで息の長い定番曲や、何世代ものミュージシャンがカバーするスタンダードになった。そうした影響力は、スタイリッシュなプロダクションと文句のつけようがないボーカルハーモニーの力で、遠い昔のドゥーワップやロックンロール、往年のR&Bを引き出してMTV時代へと持ち込んだ2人にふさわしいといえる。しかし、そのバランスの調整には少々時間がかかった。1973年の『Abandoned Luncheonette』ではフォークロック、1975年のセルフタイトルアルバム『Daryl Hall & John Oates』ではディスコを取り入れ、徐々に自ら“ロック&ソウル”と呼ぶことになるサウンドを生み出していったが、それはまだホール&オーツが1980年の『Voices』以降、彼らのトレードマークとなる幅広い音楽性へと到達していく始まりに過ぎなかった。チャート上位のアーティストの中で、彼らほど1980年代における何でもありのポップ精神を体現した者はいなかった。ライチャス・ブラザースの1964年のヒット曲「You’ve Lost That Lovin’ Feelin’」を見事にカバーすると同時に、ハードロック、パワーポップ、ニューウェーブのすべてをタイトにアレンジしながらも広大なビジョンを持つサウンドに取り込んでみせた。1981年の「I Can’t Go for That (No Can Do)」では流れるようなシンセとボーカルをセクシーなエレクトロニックドラムの上に降り注ぎ、1984年の『Big Bam Boom』ではヒップホップのパイオニア、アーサー・ベイカーの手を借りてビートをパワーアップさせた。その一方で1985年には2人の歌声に多大な影響を与えたモータウンアーティスト、ザ・テンプテーションズのメンバーと共にアポロシアターの舞台に立った。1982年の『H2O』で、まさに1980年代ポップロックの典型となるゲートリバーブをかけたドラムと、きらめくシンセを効かせ、かつてないほど斬新なアルバムに仕上げたように、彼らは最高にモダンなサウンドを作ることができる。しかし、ダリル・ホール&ジョン・オーツに新たな世代のファンが生まれ続けているのは、時代を超越したそのフックにこそある。気負いのないソウルでレジェンドの地位を固め、ダフト・パンク、Chromeo、ブルーノ・マーズ、そして同じくレトロ志向のポップフュージョン主義者に影響を与えながら、2000年代のヨットロックリバイバル(ヨットロック=ハードでないロック)ではその中心的な存在にもなった。

出身地
Philadelphia, PA, United States
結成
1970年
ジャンル
ポップ

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米国およびカナダ