デミ・ロヴァートは、ジョナス・ブラザーズやセレーナ・ゴメス、マイリー・サイラスなど、ポップチャートでの成功を夢見るディズニーチャンネル出身の次世代スターと共に音楽シーンに現れた。ロヴァートは自らの力強いボーカルを生かして、繊細なバラードやクラブ向けチューンをバランス良く歌い、さらに精神疾患や依存症に対する支援などで独自の路線を築いた。1992年アルバカーキ生まれのデミ・ロヴァート（本名Demetria Lovato）は、NFLのダラス・カウボーイズの元チアリーダーを務めた母親の下で育てられた。2008年の映画『キャンプ・ロック』で一躍人気を集め、同年にデビューアルバム『Don’t Forget』をリリース。この作品を足掛かりにティーンアイドルから世界的なアイコンへと上り詰めた。数々のヒットシングルが続き、クリスティーナ・アギレラやルイス・フォンシ、ティンバランドといったアーティストとのコラボレーション、そしてオーディション番組『Xファクター』での審査員役などを通してその地位を不動のものにした。暑い季節を盛り上げるポップソング「Cool for the Summer」や、自己肯定感に満ちたアンセム「Confident」、痛切な思いを歌う「Anyone」など、ロヴァートの作品は多彩で、どんなプレイリストにも対応できる。ちなみに「Anyone」は、今になって思えば薬物依存との戦いを描いた「助けを求める」曲だった、と本人もApple Musicに語っている。私生活をオープンにする姿勢や、「Sober」のような誠実で飾らない楽曲が好感を呼び、ロヴァートはますます世界中のファンから愛される存在となった。2020年には、洗練されたポップサウンドの「I Love Me」やサム・スミスとのデュエット曲「I’m Ready」を発表し、デミ・ロヴァートが今もなお進化を続け、この先も感動と驚きを与えるスターであることを証明してみせた。