カナダ屈指の人気ポップパンクバンドで、ケベック州出身として最大級の成功を収めたシンプル・プラン。1999年にモントリオールで結成されて以来、成長と共に少しだけ年を取り、そして賢明になった。2002年の「I’m Just a Kid」に代表される高速でフックだらけの初期のヒット曲から、オルタナティブロックやエモ、ファンクさえ取り入れた豊かで幅広いサウンドへと移行しても、シンプル・プランはティーンエージャーの生意気な感性を最高の形で維持してきた。また2002年のデビューアルバム『No Pads, No Helmets...Just Balls』は、Warped Tourの早い時間のステージや、グッド・シャーロット、アヴリル・ラヴィーン、blink-182らの前座を務めていた彼らを、カナダとアメリカでヘッドラインツアーができるまでに急成長させる原動力となった。しかし、生意気なタイトルを付けたこのアルバムを満たす抑えきれないエネルギーが失われることはまったくなかったのだ。その後の『Still Not Gettin' Any』（2004年）や『Simple Plan』（2008年）といったアルバムでは、当初から明らかだった個性をさらに発揮。メロディ重視の曲作りと、繊細な一面を見せようとするリードシンガーのPierre Bouvierの意欲が存分に生かされ、「Untitled (How Could This Happen to Me?)」や「Save You」など、高校のダンスパーティーに欠かせない数多くの曲が収録されている。