- Led Zeppelin IV (Remastered) · 1971年
- Led Zeppelin III (Remastered) · 1970年
- Led Zeppelin IV (Remastered) · 1971年
- Led Zeppelin II (Remastered) · 1969年
- Led Zeppelin (Remastered) · 1969年
- Led Zeppelin IV (Remastered) · 1971年
- Led Zeppelin II (Remastered) · 1969年
- Led Zeppelin II (Remastered) · 1969年
- Physical Graffiti (Remastered) · 1975年
- Led Zeppelin (Remastered) · 1969年
- Led Zeppelin IV (Remastered) · 1971年
- Led Zeppelin (Remastered) · 1969年
- Led Zeppelin IV (Remastered) · 1971年
必聴アルバム
- 新曲+アウトテイクによる大ボリューム作品。前作「Houses of the Holy」以上にバラエティーに富むが、ブルースロック色が甦り、アルバム全体を通してハードにドライブする小気味良い楽曲が目立つ。ジミー・ペイジの生むリフのすばらしさ、ジョン・ボーナムのパワフルなドラミング、シンプルだがツボを得たジョン・ポール・ジョーンズのベース、そしてZepサウンドの一部として見事に機能するロバート・プラントのヴォーカル。エキゾチックな大作"Kashmir"を筆頭に、円熟の極みに達した彼らが、まさしく"心身共にエネルギーを費やした卓越した落書き"が詰まったアルバムだ。"In My Time of Dying"はボブ・ディランのバージョンを知っていれば度肝を抜かれるだろう。
- Led Zeppelinが初めて正当な評価を得ることになった通算4枚目。メンバー全員が寝食を共にし、文字通り心血を注いで制作されたバンド中期の傑作として知られる。オールディーズを巧みに継ぎ接ぎした"Rock and Roll"に象徴されるように、ポップセンスに長けたジミー・ペイジの真骨頂ともいうべき多彩なギターリフと、ジョン・ボーナムが叩き出す重厚なリズムが最大の魅力である点は変わらず、より研ぎ澄まされた演奏とダイナミズムがアルバム全編にみなぎっている。唯一歌詞がジャケット内に印刷されている"Stairway to Heaven"ではメンバーの個性と見せ場が最大限に集約され、バンドの本質が結晶化したロック史に残る名曲として人気、評価共に高い。
- ロバート・プラントのシャウトが印象的な冒頭の"Immigrant Song"が破壊力抜群。映画からプロレスまで、この必殺ナンバーがフィーチャーされる機会は現代なお数多だが、前作で提示したバリバリのハードロックを期待すると肩透かしを喰らうかもしれない。本作ではフォーク調の楽曲が導入されサウンドもカラフル。多様なアレンジがなされており、ジミー・ペイジが意図したバンドのコンセプトがより明確に打ち出されている。"Celebration Day"、"Since I've Been Loving You"は前作の延長戦上で楽しめるが、"Gallows Pole"以降で展開されるトラッドフォークの実験的なアプローチには賛否両論が。しかし、その成果は次作「Led Zeppelin IV」で実を結ぶ。
- 本作でレコーディングエンジニアを務めたのはエディ・クレイマー。ジミ・ヘンドリックスが信頼を寄せた伝説的な名エンジニアだが、奇しくもジミとZepの両者は彼のもとでハードロックの至高とも呼べる傑作を作り上げてしまった。ジミは"Purple Haze"あるいは"Voodoo Child (Slight Return)"を、Zepは"Whole Lotta Love"を、である。どちらもハードでヘヴィ、サイケでファンクと、古典にして異端なのだ。この冒頭の一曲を白眉として、本作では前作で試みられたブルースを核としたハードロックがより昇華された形で展開されている。"The Lemon Song"、"Heartbreaker"、"Moby Dick"など強力ナンバーがそろい踏み。
- ブルースロックからハードロックへ。この趨勢(すうせい)を決定付けた立役者Led Zeppelinは、後に自らその枠を超えて唯一無二の音楽性を確立していくのだが、キャッチーな"Good Times Bad Times"で幕を開けるファーストアルバムは、やはりハードロックの聖典を冠するにふさわしい。異形化したブルースとしてのハードロックが堪能できる、ウィリー・ディクソンの名曲を取り上げた"You Shook Me"、"I Can’t Quit You Baby"、サイケデリックな"Dazed and Confused"、ストレートなロックナンバー"Communication Breakdown"など古典が目白押し。新しいサウンドを生み出そうと画策したジミー・ペイジの特異な空間表現も聴きどころ。
アルバム
アーティストプレイリスト
- 多様な音楽性と卓越した演奏でロックに革新をもたらし、歴史に燦然と輝くバンド。
- 強靭なロックグルーヴに止まらず、実験的なサウンドでも魅了するバンドの軌跡。
- 時代を超えて継承される、自由奔放にしてエキサイティングなロックのグルーヴ。
- 唯一無二の4ピースアンサンブルを支えた、ルーツミュージックの広大な裾野。
- サンプリングの定番ネタとなった、伝説のロックバンドによるパワフルなドラム。
ベストアルバム、その他
- 2007年
Led Zeppelinについて
Led Zeppelin(以下ツェッペリン)がヘヴィメタルを発明したというのは、厳密には正確ではないだろう。ヤードバーズの最後のギタリストだったジミー・ペイジによって1968年に(もともとはThe New Yardbirdsとして)結成された4人組は、ブルースに根差したブリティッシュインベイジョン・サウンドをよりラウドな方向へ持っていこうとする多くのバンドの一つにすぎなかった。しかし、これほどまでに確かなグルーヴ感と華やかさをもって表現できたバンドは他にいなかった。ペイジの手にかかれば、ブルースに根差したリフはギターソロと同様に激しく複雑になる。さらにリズムセクションには、キックペダルで穴を開けるほどパワフルなドラマーのジョン・ボーナムと、強力な接着剤のようにすべてをつないでまとめ上げる秘密兵器のベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズがいた。たとえヘヴィネスがツェッペリンの唯一の特性だったとしても、彼らはロック史に名を残しただろう。しかし、雷鳴のように響き渡るサウンドは、常に心を静めるような繊細さによってそのバランスが保たれていた。静寂から爆音へと駆け上がる「Stairway to Heaven」(1971年)がその典型的な例であり、この曲はクラシックロックラジオの人気曲であり続けている。確かに、輝ける神のようなリードシンガー、ロバート・プラントは暴れ回るバイキングの船隊を招集できるほど甲高い声の持ち主だった(1970年の「Immigrant Song」での彼の声と歌詞をチェックしてほしい)。インクレディブル・ストリング・バンドといったサイケデリックフォークバンドに夢中だった彼には、穏やかなアコースティックのセレナーデを生み出す素地があり、ブルースにありがちな女の子にフラれる話にはすぐに飽きてしまい、メタルが中世の神話に魅了される前兆となるトールキン風の物語を作り上げるようになった。さらに、ペイジは恐るべきリフ製造マシンだっただけでなく、ロックアルバムを壮大な戦争叙事詩として再構築するという先見の明を持つプロデューサーでもあった。1969年当時、ブルースロックのブギーとしてはこの上なく前衛的だった「Whole Lotta Love」の間奏における、頭が混乱するようなブレイクダウンを聴くと、そうした映画的な感性が根付いているのが分かる。1975年の「Kashmir」にはそんなペイジの感性が最も表れており、東洋にインスパイアされた壮大な叙事詩のようなこの楽曲は、ジョーンズの邪悪な、メロトロンに操られたストリングスのアレンジによって、それまで彼らが作ったどのギターロックチューンよりもヘヴィなサウンドに仕上がっている。ツェッペリンは1979年のシンセサイザーに彩られた『In Through the Out Door』で魅惑的な新次元に突入するように見えたが、その1年後にボーナムが急逝したことで突如終わりを迎えることになる。しかし、1980年代における数々のヘアメタルバンドから、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの闘志あふれるラップメタル、ザ・ホワイト・ストライプスの渋いブルース、そして21世紀の威勢を見せ付けるグレタ・ヴァン・フリートまで、1970年代に激震を起こしたLed Zeppelinの作品群の余波は永久に響き渡り続けている。
- 出身地
- London, England
- 結成
- 1968年
- ジャンル
- ロック