米米CLUBや「ルパン三世のテーマ」を大胆にサンプリングするなど、ポップかつユーモラスなセンスを巧みに生かして、1990年代半ばから名古屋のヒップホップシーンで活躍するラッパー、SEAMO。もともとシーモネーターと名乗っていた彼は、2002年にシーモネーター & DJ TAKI-SHITとして米米CLUBの「浪漫飛行」をサンプリングした「浪漫ストリーム」でメジャーデビューを果たした。2005年にSEAMOに改名すると、メロウなトラックと切ないリリックが印象的な2006年の「マタアイマショウ」がラジオや有線放送などでロングヒットを記録。その直後には「ルパン三世のテーマ」をサンプリングした「ルパン・ザ・ファイヤー」も大きな話題となり、ヒップホップの枠にとどまらない人気を獲得した。大胆な発想やあらゆるサウンドを貪欲に追求するスタンス、そしてサンプリングという制作方法とラップというボーカル表現。そんなヒップホップならではの手法などを駆使しつつ、下世話さすらもスパイスにしながら時にリスナーを笑わせ、時に熱いメッセージでリスナーの心を揺さぶりながらエンターテインメントに昇華してみせる。SEAMOはそんなまれな個性と卓越した手腕を併せ持つアーティストだ。