天の血脈(5)
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- ¥660
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発行者による作品情報
明治三十六年、満洲へ「好太王碑」調査に訪れた安積亮(あずみ・りょう)は、帰国後に諏訪大社の巫女・翠(みどり)と祝言をあげた。日露戦争が始まり安積も国家の思惑に翻弄される中、安積は四世紀末・神功(じんぐう)皇后の時代の夢を見る。確かに神功皇后の渡海はあり、皇后の子の父親は海人族の若者だという夢。日露戦争終結後の明治三十九年、日本政府が朝鮮支配へと乗りだす中、天皇家に抗おうとする革命勢力の陰謀に、安積は巻き込まれてゆくのだった。
カスタマーレビュー
seagell
、
三韓征伐伝承はやはりタブーなのか
古代朝鮮半島に進出、新羅を成敗したという神功皇后。
戦後の学会では伝説上の人物として葬られているように見える。
建国伝説の神武天皇も同様なのだが、朝鮮進出との絡みがあるためか神功皇后には
書籍の出版が怪訝さを覚えるほど少ない。
しかし、神功皇后の在位とされる時期に古代の日本が朝鮮半島に攻め入ったことは
好太王碑文で裏付けされており、海外文献と整合を持つ数少ない人物なのだ。
その上美女だったらしく、古代史好きには神功皇后は想像力を刺激する存在となっている。
だから、「ナムジ」を描いた安彦先生が満を持して始めた「天の血脈」には期待が大きかった。
それがこれからという時に、こんなギャグで終わりを迎えようとは…。
やはり出版社にとってタブーのテーマなのだろうか