復活への舞台裏 全島1万人 史上最大の脱出作戦三原山噴火・13時間のドラマ
-
- ¥150
-
- ¥150
発行者による作品情報
1986年11月21日、伊豆大島の三原山が大噴火。流れ出た溶岩がゆっくりと住宅地区に迫り始めていた。島内4地区に散らばる一万人の島民をどう脱出させるのか、町役場では関係者の知恵を寄せ集めた急造の対策プロジェクトが動き出した。
島民を輸送するバス・船会社、避難を誘導する消防団、無線網を握り溶岩を監視する警察…家族を心配しながらも、男たちは自分たちの職分を尽くそうと立ち上がった。東京電力の出張所では、発電機を回し、夜間の避難と防災活動を支えるため、3人の職員が島に留まらざるを得なくなった。勤務していた職員は6人、すべてが幼い子持ち。しかし、まず、自分が残ることを決めた所長が「あと2人頼めるか」と涙ながらに聞いたとき、すべての男たちが静かに手を挙げた。
夕方から早暁にかけての13時間、一人の犠牲者もなくパニックを起こさずに島外脱出ができたことは、奇跡といわれた。自分をおいて島民全てのために動いた男たち。島民たちの結束力の強さに裏付けられたその13時間のドラマを描く。
カスタマーレビュー
紅満月
、
一万人の奇跡
『一人の犠牲者も出してはならない』
その志があった。
決してそれだけでは成し遂げられない絆や使命感、思いがあった。
きっと、何が欠けてもこの奇跡は起きなかったであろう。
だからこそ、これは奇跡なんだろうと思えてならない。
似たような、あるいは別の災害が起きた時、いつも誰かが犠牲となっている昨今。誰も犠牲とならなかったこの避難のような志や絆、使命感に思いは本当に大切だ。
だから、この避難は奇跡と呼ばれるのだろう…今の世の中では絶対に成し遂げられないものだから。