十二人の死にたい子どもたち
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- ¥800
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発行者による作品情報
2019年1月に衝撃の映画化!
廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「集団安楽死」をすること。
決を取り、全員一致でそれは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは……?
解説・吉田伸子
APPLE BOOKSのレビュー
SFや時代小説など、幅広いジャンルで執筆を行う冲方丁による初の推理小説「十二人の死にたい子どもたち」。本作の登場人物は10代の少年少女。彼らは自殺するために、廃業した総合病院のビルに集まってくる。ところが指定された場所には、すでに一人の少年の死体があった。全部で12人のはずだったのに13人居るのはなぜか、このまま自殺を実行してよいのか、話し合いが行われていく。冷静で思慮深い主催者のサトシや、論理的で鋭い観察力を持つシンジロウ、いつも誰かの庇護の下にありたいメイコや他人の話を聞かないミツエなど、人物のキャラクター分けがはっきりとしており、群像劇としても存分に楽しめる。また、それぞれが主役となるシーンを設けて自身の言葉で語らせることで、一人ひとりの個性の掘り下げに成功し、人物像に厚みが増している。持ち主のわからないスニーカーや黒いキャップ帽、消火器がドアに挟まって動かなくなったエレベーターなどミステリーの要素をちりばめ、それらを丁寧に解き明かしていく手法は熟練した作家ならではの完成度で、読みごたえ十分だ。10代が抱える現実的な問題に、生きるとは何かを考えさせられ、また推理劇の末に彼らがつかむ、胸に宿る温もりのようなものにほっとする一冊。
カスタマーレビュー
なんとなく
結末というか最後は思った通りだったけど そこに至る過程がしっかり書かれていて楽しめました
共感は出来ないけど 死にたい理由が納得するしかない子供達もいれば そうでない子供達もいて だけどみんな真剣で
とにかく精一杯生きて欲しいと思ったけど腹黒の子はそのうち何かやらかしそうで不安
あ
素晴らしい
心に響きました
重いタイトルなので躊躇しましたが、読んで良かったです。
ここに登場する少年・少女達の心の闇や葛藤は、読み手の私にも経験があり、一気に読み込んでしまいました。生きていることに意味を見出す必要はなく、ただ生かされているのだと自分なりに答えを出したのを思い出しました。死は誰にでも平等にやって来ます。明日が当たり前に来るものと思わず、生かされているうちはそれを受け入れ、生きる術を学習していこうと改めて感じました。