おとななじみ 1

APPLE BOOKSのレビュー

実写映画化された「ラブ★コン」で知られる中原アヤが、大人になった幼なじみ同士の恋を描く「おとななじみ」。加賀屋楓と青山春は、実家が隣同士の幼なじみ。社会人になり、それぞれ一人暮らしを始めても2人は同じアパートの隣に住み、楓はだらしない春の生活をかいがいしく世話していた。学生時代から春に片想いしている楓だが、大人になっても恋に不器用なままで、その想いは通じることなく空まわりしてばかり。そこに別の幼なじみの男子や、春にアタックするゆるふわ女子が現れ、じれったい関係が少しずつ動き出す。少女マンガではお決まりのテーマである幼なじみの関係を、思春期を過ぎて20代なかばになってもまだこじらせているという独自の設定で描いた、ちょっと大人のラブストーリー。甘酸っぱい胸キュンシーンと思いきや、すかさずオチをつけて笑いを誘う軽快な展開に、ラブコメディを得意とする作者の持ち味が発揮されている。