猫を抱いて象と泳ぐ
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- ¥640
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発行者による作品情報
「大きくなること、それは悲劇である」──この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。
カスタマーレビュー
kaonio
、
優しい眼差しが素晴らしい
こんなにも切ないのに、それなのに、何か暖かくて小さなものが胸の内側に残ります。小川洋子さんの作品を読むのはまだこれで二冊目ですが、ゆらゆらと射し込む優しい陽光を水底から見つめているような静謐さが持ち味なのかもしれないな。