心にナイフをしのばせて
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- ¥590
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発行者による作品情報
神戸で「酒鬼薔薇」事件が起こったのが1997年。その28年前、そっくりな事件が東京近郊であった。同級生を殺し、その首を切断した加害者は、当時15歳の少年。息子の死から40年近く経ったいまも、被害者家族は事件を重く引きずっている。歳月は、遺族を癒さないのだ。一方、犯人の父は、約束の賠償金をほとんど払わぬまま死亡。犯人は“立派に更生”し、なんと弁護士として成功をおさめていた。被害者家族に光を当て、司法を大きく動かした、執念のルポルタージュ。
カスタマーレビュー
たやなかあたなかなたなやまさなやまあやらなさ
、
断てない禍根
犯罪被害者の苦しみは読者という第三者である以上正確に知ることは出来ないが、その片鱗を垣間見ることが出来る。被害者や被害者の関係者の苦しみが読んでいる自分にも染み込んでくる来るような気がした。
だからといって人はこの苦しさから目を背けるべきではないと思う。犯罪被害者のケアがまだ不十分な今、彼らに寄り添い、より良い法制度を議論するためにみなが知らなければならないことが記されている本だった。
58265ぷり
、
被害者家族の気持ちが伝わる
はじめは、タイトルから加害者の話だけかと思いました。が、被害者家族の加害者を怨む気持ちまで辿り着けない家族の中での苦悩がつづられ、被害者側のケアなどが足りていない国の責任を考えさせられる本です。更生の意味を広い範囲で感じてもらいたいと願っている本だと思いました。
子供にも人を少しでも傷つけたら、係るすべての人が苦しむことを、小さい時から教えてあげたいと思わされます。
少年法は見直されるべき。人を気分で死にいたらしめ3年で社会に戻り、犯罪歴もつかないなんて!挙句の果てに、弁護士になってるとは。更正とは被害者家族が、癒やされ謝罪を受入れて成り立つ。筆者の思いが伝わる本です。