ギミー・デンジャー
視聴可能: WATCHA、Prime Video、FOD
過激なライヴ・パフォーマンスにより日本では“淫力魔人”なる邦題も過去に登場した、<ゴッドファーザー・オブ・パンク>イギー・ポップ。そして、永遠のアウトサイダーとしてインディペンデント映画界に君臨する鬼才ジム・ジャームッシュ。イギーが率いたバンド、ザ・ストゥージズの熱烈なファンであり続けるジャームッシュはイギーを役者として起用するなど、二人は親交を深めてきた。そしてこの度、イギー自ら「俺たちストゥージズの映画を撮ってほしい」とジャームッシュにオファー、今まで映像で語られたことのなかったその伝説のバンド、ザ・ストゥージズの軌跡を綴る、ジャームッシュにとっては20年ぶりとなるドキュメンタリー映画が完成した。67年、米国ミシガン州。イギー、ロンとスコット・アシュトン兄弟、デイヴ・アレクサンダーによって、ザ・ストゥージズは結成された。様々な要素を取り入れた実験性とミニマルな音作りの融合、そしてヴォーカル、イギーの過激なステージングでそれまでのロックの概念を破壊する唯一無二のスタイルを生み出し、兄貴分であったバンドMC5と共にデトロイト・ロック・シーンを牽引した。しかし74年、様々な問題をはらみバンドは自然消滅。評論家からも<下品で退廃的>と叩かれて正当な評価を得ることはなく、世に残したアルバムはわずか3枚だった。だがその後のラモーンズやダムド等のパンクロック・バンドたちはすべてストゥージズ・フリークであり、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ホワイト・ストライプスなど後世の名だたるバンドたちが影響を公言。パンク、オルタナティヴ・ロックの出発点として再評価され、2010年にはロックの殿堂入りを果たした。それほどまでにストゥージズが人々を惹きつける理由は何なのか。ジャームッシュは本作において、メンバーと本当に近しい関係者にのみ取材をする方法を選んだ。イギーを軸に、当事者たちの言葉だけで語られるザ・ストゥージズの華々しくも混乱に満ちた歴史。8年の歳月をかけた制作期間中、メンバーの3人(ロン・アシュトン、スコット・アシュトン、スティーヴ・マッケイ)が相次いでこの世を去ったが、彼らとその証言は映画の中に永遠に刻まれている。ジャームッシュのザ・ストゥージズへの愛が溢れる渾身のドキュメンタリー。孤高のバンド、ザ・ストゥージズ。その真実が今明らかになる。
出演 イギー・ポップ、ロン・アシュトン、ジェームズ・ウィリアムソン
監督 ジム・ジャームッシュ