恐怖と欲望
あまり知られていない、スタンリー・キューブリック監督のデビュー作『恐怖と欲望』が遂に復元され、一般に公開された。スタンリー・キューブリック監督が1953年に制作した『恐怖と欲望』は、彼の映画人生の出発点となる作品で、制作と撮影を一人でこなした。仮想の戦場を背景に、敵陣での偵察中に閉じ込められた4人の兵士たちが、再び味方の部隊へと復帰しようとする過程を描いている。『恐怖と欲望』はスタンリー・キューブリック監督の作品のテーマであるどんでん返しと反暴力の内容が込められていて、キューブリック監督特有の独特で実験的なカメラ技法のスタート点をかいま見ることができる。この超現実的な映画は、恐怖と不安、生存本能を刺激する戦争そのものを描いており、その中で欲望と個人的な野望を奮い立たせ、魂の社会的な救いに対する必要性を自覚させる。
出演 フランク・シルヴェラ、ポール・マザースキー、ケネス・ハープ
監督 スタンリー・キューブリック